居住用不動産の贈与|非課税特例や相続対策の全知識を徹底解説
最終更新日:2024年12月10日
![クリニックマーケティング代表・山本 亮介](https://legal-souzoku.com/wp-content/themes/wp-legal-souzoku/assets/images/img_writer_nakazawa.png)
執筆者
紡人(つむぎびと)発起人
中澤 寛(なかざわ かん)
中央大学を卒業後、金融のスペシャリストであるFP(ファイナンシャルプランナー)の事務所に業務提携パートナーとして参画。10年ほど在籍している中で感じた超高齢化社会の社会問題である「耕作放棄地」と「認知症によある」を解消するために、相続を包括的にサポートする『紡人(つむぎびと)』を発足。「最適解ではなく想いを最優先にしたプランニング」の考えのもと、相談者様に寄りそう相続対策・相続税対策をご提案いたします。
「親から家を贈与してもらいたいけれど、贈与税が心配…」「将来の相続対策として不動産を贈与したい」――そんなお悩みをお持ちではありませんか?
居住用不動産の贈与は、親や配偶者から住宅や土地を贈与する際に利用できる特例や控除が充実しており、計画的に活用することで税負担を大幅に軽減できます。
本記事では、居住用不動産の贈与について以下のポイントを徹底解説します:
- 非課税特例の活用方法
- 贈与のメリット・注意点
- 具体的な手続き方法
相続税対策や家族の資産形成に役立つ知識を網羅しているので、ぜひ最後までご覧ください。
居住用不動産の贈与とは?
居住用不動産の贈与とは、親や配偶者などから住宅や土地といった居住用不動産を無償で譲り受けることを指します。通常、贈与には贈与税が発生しますが、特定の条件を満たすことで非課税特例を活用することが可能です。
代表的な特例として、配偶者控除や相続時精算課税制度があります。これらの制度を利用することで、贈与税の負担を軽減し、将来の相続税対策としても効果的に活用できます。
居住用不動産の贈与が注目される理由
- 相続前に資産を計画的に移転できる。
- 遺産分割のトラブルを未然に防止。
- 非課税枠を活用することで税負担を抑えられる。
居住用不動産の贈与に適用される非課税特例
1. 配偶者控除
配偶者控除は、婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用不動産を贈与する場合、最大2,000万円まで非課税となる制度です。この控除を活用することで、大幅な贈与税の節約が可能です。
- 対象者:婚姻期間20年以上の配偶者
- 非課税額:最大2,000万円+基礎控除110万円
たとえば、配偶者に居住用不動産を2,500万円で贈与する場合、非課税枠内で2,110万円が控除され、390万円のみが課税対象となります。
2. 相続時精算課税制度
相続時精算課税制度では、親や祖父母から20歳以上の子や孫へ最大2,500万円まで非課税で贈与できます。ただし、贈与した財産は相続時に相続財産に含めて再計算されます。
- 対象者:贈与者が60歳以上、受贈者が20歳以上
- 非課税額:最大2,500万円
この制度は、贈与時の税負担を抑えつつ、計画的な資産移転を可能にします。
3. 小規模宅地等の特例
相続時に適用される特例ですが、計画的な贈与と併用することで将来の税負担を大幅に軽減できます。たとえば、自宅として使用している土地の評価額を最大80%減額することが可能です。
居住用不動産贈与のメリット
居住用不動産の贈与には以下のようなメリットがあります:
1. 相続税の軽減
生前贈与を活用することで、相続税の課税対象となる財産を減らし、将来の税負担を軽減することができます。
2. 遺産分割トラブルの防止
生前に資産を計画的に分配することで、相続時の遺産分割トラブルを防ぐ効果があります。
3. 若い世代への支援
若い世代が住宅を取得する際の経済的な支援としても活用できます。
居住用不動産贈与の手続き方法
居住用不動産を贈与する際には、以下の手続きが必要です:
1. 贈与契約書の作成
贈与者と受贈者が合意の上で契約書を作成します。これにより、贈与の内容を明確にし、法的なトラブルを防止します。
2. 不動産登記の変更
贈与された不動産の所有権を受贈者に移転するため、不動産登記を変更します。この手続きには、登録免許税や司法書士費用が発生します。
3. 贈与税の申告
非課税特例を活用する場合でも、贈与税の申告が必要です。税務署に必要書類を提出しましょう。
居住用不動産贈与の注意点
以下の点に注意して贈与を進めましょう:
- 高額な贈与税:非課税特例を活用しない場合、贈与税が高額になる可能性があります。
- 手続きコスト:不動産登記の変更には、登録免許税や司法書士費用が必要です。
- 適用条件の確認:特例を利用するためには、条件を満たしているか事前に確認しましょう。
まとめ
居住用不動産の贈与は、相続税対策や家族間での資産移転をスムーズに進めるために非常に有効な手段です。しかし、特例や手続きに関する知識が不足していると、高額な贈与税や手続きの遅延が発生する可能性があります。
本記事を参考に、計画的な贈与を進め、家族の未来を守りましょう。専門家に相談することで、さらに安心して制度を活用できます。
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